
一人ひとりの「たまもの」をいかして
「よく学ぶ よく遊ぶ よく祈る」
あなたがたはそれぞれ、賜物を授かっているのですから、神のさまざまな恵みの善い管理者として、その賜物を生かして互いに仕えなさい。
ペトロの手紙一 4章 10節
今から140年以上前の1883年、日本へキリスト教を伝道するため、アメリカから4人の宣教師がやってきて、東北を中心に伝道活動を行いました。それから20年後の1903年、日本人の伝道者を育てるために東京の文京区本郷に最初の学校である聖学院神学校が建てられました。これが聖学院の始まりです。以来「神を仰ぎ 人に仕う」を建学の精神として、現在は幼稚園から大学、大学院までを有するキリスト教教育を行う総合教育機関へと成長しました。
その中にあって聖学院小学校は1960年に創立。「よく学ぶ よく遊ぶ よく祈る」を教育目標として今日まで歩んできました。
一人ひとりの「たまもの」
わたしたち一人ひとりの顔が違うように、性格や感性も、好みにいたるまでそれぞれに異なります。聖書には、そのような その人にしかない個性や素質は、神さまから与えられた「賜物(たまもの)」であると書かれています。聖学院小学校はその一人ひとりの「たまもの」に感謝し、互いに尊重し、いかしながら共に成長する場でありたいと願っています。
よく学ぶ よく遊ぶ よく祈る
その「たまもの」をいかすために、聖学院小学校では目指す学びを三つに分け、教育目標に据えています。
- 「よく学ぶ」
学ぶ楽しさを知り、友だちと共に主体的に学ぶことを進めています。同時に努力して得た知識や技能が自分のためだけでなく、いつか誰かのために役立ち、用いられるようにという思いを持ちながら学びます。自分の学びが誰かためになるという思いは、学ぶことへの意味や意義をより深いものにし、他者を尊重する思いへとつながります。 - 「よく遊ぶ」
遊ぶことは、体を動かしたり、友だちと楽しく過ごすことを通して社会のルールを全身で知る貴重な経験の場です。相手の気持ちを察したり、自分の思いを一生懸命伝えたりすること、ある時はがまんして譲ったり、時には許してもらったり謝ったりする多くの関わりが遊びには含まれています。それら一つひとつの行為を通して、これからいろいろな人と関わっていくこどもたちはそこから大切な生きる力を学びます。 - 「よく祈る」
毎日のお祈りは、自分以外のだれかのためにも捧げられます。けがや病気の友だちのこと、災害や戦争、飢餓の中にある人たちのことを思い、今の自分と重ねることでその痛みや悲しみを共感します。毎日捧げられる祈りは、こどもたちの真のやさしさや隣人への愛を育む大切な経験となります。
思いから行いへ
聖学院小学校は、神さまからいただいた「たまもの」に感謝し、「よく学ぶ よく遊ぶ よく祈る」中でそれらをいかし、一人ひとりが豊かに成長ができる場でありたいと願っています。そして自らの成長の恵みに感謝し、隣人を大切に思う一人ひとりの気持ちから、愛を持って人に尽くす具体的な行いへと導かれる学校でありたいと願っています。
校長 田村 一秋