学校が始まりました

 聖学院小学校は 3 月 2 日からの長い休校期間を経て 6 月 10 日に待ちに待った始業式を迎えました。その翌日には 1 年生の入学式が行われましたので、6 月 11 日は全児童がそろった記念すべき日ということになります。
 教職員は、登校初日を迎えるにあたり、登校から下校までのこどもたちの動線を考えて、人の配置や、共有しない、集まらない工夫など、さまざまなことを想定しながら準備してきました。
 そして迎えた 6 月 10 日、それぞれにいろいろな 3 か月を過ごしたこどもたちが、今こうして元気に登校してくる様子を見ていると、あれこれ心配していた思いよりも、心からの喜びと感謝の気持ちでいっぱいになりました。やはり学校は、こどもたちがいてこそ学校であると、あらためて思わされた瞬間でした。そして学校が始まるという当たり前のことが、いかに大切で感謝なことなのかをこのときしみじみと感じさせられました。

 休校の期間、教職員は日々打ち合わせや会議を行って、学校再開の準備を進めてきました。しかし緊急事態宣言が出されると、それも制限され、在宅での勤務や必要に応じての分散出勤など、いろいろな形でこどもたちを迎える準備を続けてきました。

 こどもたちが来ない学校は、いろいろなことがありました。3 月の中旬には校庭の桜がきれいに咲きました。4 月には昨年の 1 年生が植えてくれたチューリップの花が満開になりました。見る人もいないのに、あまりにもきれいに咲いているので、学年ホームルームのバーチャル背景写真に残したほどです。
 聖学院小学校のシンボル「しいの木」の枝には毎日たくさんの鳥たちがとまり、とても賑やかでした。ときどき校庭に降りてきては、えさを探したり、何羽かで飛び回ったりする姿も見られます。この期間、こどもたちが遊ばない校庭は鳥たちの格好の遊び場になっていました。

 校舎は、用務の方々がいつもきれいにそうじをして、校庭や玄関の水まきや花壇のお手入れなど、いつでも学校が始められるように準備をしてくださいました。
 事務室や職員室も、いろいろなところからの連絡やさまざまな対応のために平常通り開けていました。
 5 月 29 日の昼すぎには、ブルーインパルスの飛行コースが都立駒込病院の上空だったために、6 本の煙の筋が聖学院小学校の上を通過していったことも休校中の忘れられないできごとでした。

 思いもよらず長い休みになり、ご家庭でもいろいろな過ごし方をされたと思います。同じように聖学院小学校も、こどもたちを迎えるためにいろいろなことがあり、さまざまな準備や整備をすすめ、多くの人たちが関わってきました。そして迎えた学校再開。授業も始まり、平常登校も見えてきました。

 新しい生活様式のもと、聖学院小学校はこれまでと同じように、これからもこどもたちが安心して過ごすことができる場であり、共に礼拝し、共に学ぶ場所であり続けたいと願っています。

教頭 田村 一秋

(学校だより けやき 第503号2020年6月24日発行)