学校の再開を喜びつつ

 学校は、子どもたちの活動の場であり、学びの場です。様々なタレントを持った子どもが、共に学び、共に生活する中で、互いに成長していきます。神様によって、この世に生を受けて誕生し、はじめに家族という最も基礎的な社会集団の中で育ちます。そして更に、学校という社会で学びます。様々な友だちとの交流を通して、喜怒哀楽を共に味わいます。友達の存在は成長していく過程では不可欠です。

 しかしながら、三ヶ月以上の間、休校となりました。これ程の間、静寂に包まれた校舎は、開校以来一度も経験したことのない異常事態でした。本来ならば、四月に入学式が行われ、希望に満ちた新入生をお迎えし、新しい一年が始まる予定でした。今年度は、コロナウイルスの感染拡大のために、休校にせざるを得ませんでした。この期間、子どもたちとのメール対応をする中で、いろいろなことに思いを巡らしてきました。聖学院小学校のこれまでの教育の歩みが守られてきたことに、改めて感謝の気持ちを持ち、再び通常の学校生活が再開されることを祈り求めてきました。それだけに、学校が始まり、久しぶりに子どもたちに会えた喜びは、新鮮で、格別なものでした。

 さて、今年度の夏休みは、八月八日から始まります。三週間程の期間になりますが、子どもたちは勿論のこと、私たち大人でさえ、今までにない夏のひと時を迎えそうです。子どもにとって、夏休みは貴重な経験のできる大切な期間です。しかし、依然としてコロナウイルスの感染者が多く、例年通りの家族旅行や夏の計画を立てることをも躊躇し、日々の感染者の増減を見守っていらっしゃることと思います。これまで私は、夏休み明けに、生き生きと休み中の体験話をしてくる子どもたちの様子を何度も見てきました。中学生以上になると、友だちと過ごす時間が増え、親の手元から離れていきます。小学生までに家族で過ごした思い出の一つ一つは、とても貴重です。将来自分の家族ができた時に、それを思い出しながら、子育てに励むことができるからです。現在、世界中の人々が、この感染症と戦っており、その経験から、分かり始めていることもあります。リスクの大きい事を避け、安全でかつ充実した夏休みを過ごされることを願って止みません。

 学校が再開してから、今日まで、分散登校や短縮授業など、多くの制約のある中、決してのびのびと過ごしてきたとは言えない日々でした。以前より子どもたちの体力は低下し、集中できる時間も、十分回復していません。それが、様々な場面で如実に現れていました。加えて、蒸暑さも加わり、疲れを覚えている時期だと思います。ひとまずは、休養を十分とり、体力を取り戻しつつ、計画を立てて、有意義にこの三週間を過ごしてほしいと思っております。九月に再び元気な姿で、また一歩成長した子どもたちに会うのを楽しみにしております。

生活部 野田 正人

(学校だより けやき 第504号2020年7月28日発行)