心の成長

 12月3日に子ども達が心待ちにしていた聖学院小学校フェアが行われました。2年ぶりに学校中に子ども達の元気な声と保護者の方々の笑顔があふれた1日を過ごすことができました。聖学院フェアは、みんなが大好きな行事の一つです。ただひたすらその日を楽しみに待ち、当日は朝から何もかも忘れて楽しむ日。友達と一緒でも、一人でも楽しく過ごせる素敵な日。そんなフェアがコロナウィルスのために昨年は中止になってしまいました。今年度はPTA事業部と実行委員の方々が内容や実施方法を考え、時期を変えて開催することとなりました。予定がはっきり決まらない中、計画し準備することは本当に大変だったと思います。今年の聖学院小学校の子ども達のためだけのフェアはあたたかく、保護者の方々の愛情を感じるものでした。バルーンをたくさん持って満面の笑顔で歩く子、ひたすらガチャポンやくじ引きに挑戦する子、楽しそうに友達とスライム作る子、写真コーナーでポーズをとる子、スーパーボールすくいやフィッシング、学校中が「遊び」でいっぱいになりました。つくづく子ども達の笑顔や笑い声が溢れる学校はいいなあと思いました。また、思わぬ発見もしました。その一つが写真を撮るために一瞬マスクを取った子ども達の顔です。6年生は子どもの顔から大人の顔に・・・どの学年の子も成長した表情にびっくりしました。

 2021年もあと少しで終わりです。4回の緊急事態宣言を経験し、マスクにアクリル板、検温、消毒といった新しい生活様式にも慣れてしまった1 年。スマホやタブレットを見ている時間がやたら長くなったような気もします。そんな中で開催されたのが東京オリンピックとパラリンピック。開会式当日のブルーインパレスの描いた五輪マークと青空に感動し、世界中から集まった選手達のすばらしい活躍と彼らが発信するメッセージに心を動かされた17日間でした。また、アメリカで活躍する大谷選手のニュースは、野球ファンでなくても、希望と勇気をくれました。これらのことは、この一年だけのことではなくこれから先も夢を追う人たちに力を与え続けてくれるでしょう。

 聖学院小学校の学校生活も4月の始業は全員で迎えることができましたが、夏休み明けは午前と午後に分かれての分散登校でのスタートでした。ふたたび全員が揃ったのは後期の始業日。運動会は昨年同様のスポーツデイに、2021年中に行われる予定だった宿泊行事は中止を余儀なくされました。作品展や音楽会もホームページや配信という形で行われました。なかなか出口が見つからないなかでも、感染に気をつけながら教育活動を実施した1年でした。

 学力を確実につけることはとても大切ですが、同時に小学校は心の育てる教育も大切にしています。子ども達は普段の学校生活や行事などを通して豊かな心や役割を果たす責任感、思いやり、やり遂げる強い心などを身につけていきます。友達との遊びや一緒に行う活動は生きる活力に繋がります。それらは豊かな人生を送るための基礎になる大切なことです。小学校時代にたくさん体験することで共感する心や人間関係能力、規範意識などが高くなると言われています。例年通りにできないこともありましたが、できるだけ今までと同じような経験を子ども達ができるように行ってきました。

 12月に入り、このまま感染が収まっていくのではと期待していましたが、オミクロン株が発見されまだまだ先が読めない状態ですが、来年は子ども達が今年以上に色々な経験をし、成長する1年であってほしいと願っています。

校長補佐 / 図工担当 関 幸子
(学校だより けやき 第519号2021年12月15日発行)