2021年度を終えるに当たって

 今年度も新型コロナウイルスの影響を大きく受ける1年となってしまいました。特に年明けからの感染第六波と言われるオミクロン株の流行は第五波までとは違い、児童、ご家族、教職員にも多くの感染者が出ました。その結果、学校閉鎖、学年閉鎖、分散登校を余儀なくされ、子ども達の学校生活は大きく制限されることになってしまいました。また、年間を通して、全ての学年の宿泊行事は今年度も行うことが出来ませんでした。運動会も音楽会も保護者の皆様に直接参観して頂くことができず、残念な思いをされた方も多かったと思います。宿泊行事でしか学べないことはたくさんあります。保護者の皆様にご参観頂いて、励ましをうけることは子ども達のやる気につながりますので、その点でもご参観頂けないことは残念でした。子ども達の心を育てることに大きな意味を持つ、縦割りによるスクールランチをできなかったことも、とても残念なことでした。

 けれども、1月に学校閉鎖があったものの、長期間に渡って学校を閉じることがなかったことは幸いでした。宿泊行事を除いたほとんどの行事は新型コロナウイルス感染が広がる前とは大きな違いはあったものの、行うことができました。昨年度も色々と工夫しながら 行った行事は、今年度、更に工夫を重ねることにで、より子ども達が主体的に関わることの出来るものになりました。また、昨年度は実施できなかったフェアを例年とは全く違う形ではあったものの、事業部の皆さんがそれこそ知恵を絞って頂いたことによって実施することができたのは、特筆すべきことでした。6年生に小学校生活で一番心に残っていることを尋ねると、聖小フェアを挙げる子がたくさんいますが、今年度のフェアは間違いなく子ども達の良い思い出の一つになることを確信しています。

 私たちはよく、いつになったらコロナ以前の状態に戻れるのだろう、一日も早く以前の状態に戻ってほしいと言います。けれども、 コロナ禍でどのように子ども達の学校生活を守っていくのか、どのような形なら行事を行うことが出来るのかを考え、実行していくことは、何を大切にすべきかを改めて考えることにつながりました。それは単にコロナ禍においてはではなく、通常の学校生活が戻ったときにも生かしていくことが出来ると確信しています。

 今年度の初めのけやきの巻頭言は「心を高く上げて」と題して書かせて頂きました。子ども達への誕生日カードにも”SURSUM CORDA“ 「心を高く上げよう」と書きました。コロナ禍にあっても下を向くのではなく、希望を持って歩んでほしいとの願いがあったからです。

 新型コロナウイルスとの戦いはまだ続くでしょう。しかし、だからこそ今年度を締めくくり、新たなスタートを切る4月に向け、今一度「心を高く上げたい」と思います。

 保護者の皆様には今年度も様々な場面でご協力頂きましたこと、改めて御礼申し上げま す。次年度も子どもたちとご家族の皆様の上に神様のお守りと祝福がありますように、6 年生の子どもたちがそれぞれの進学先で充実した中学校生活を送ることができるようにお祈りいたします。

校長 佐藤 慎
(学校だより けやき 第521号2022年2月28日発行)