パンデミックを前に世の中の色々なことが動きを止めた 2020年の春。聖学院小学校でも授業や行事のなど、変更や中止が続き、子ども達は大きく変わった日常と学校生活を過ごすことになります。
2022年度になり、ようやく宿泊行事が再開され、行事も子ども達だけでなく保護者の方をお迎えして行うことができるようになりました。また昨年の夏頃から、なかなか学校に遊びにくることができなかった卒業生や退職された先生が顔を見せてくれるようになったことも大きな変化です。コロナ禍以前は運動会やフェアの時に多くの卒業生が友達と誘い合って来てくれたので、懐かしい顔を見ながら近況を聞くことができたものです。聖学院小学校を巣立っていった子ども達の成長した姿を見ることは、私達教師にとって喜び以外のなにものでもありません。
昨年の12月に行われたクリスマス礼拝とページェントにも卒業生が来てくれました。東日本大地震の年に卒業した46回生なので、卒業して11年の月日が経っていることになります。久しぶりに小学校を訪れる彼らが選んだ日がクリスマス礼拝とページェントというのも嬉しかったです。ページェント終了後に感想を聞くと、自分達の頃と変わらないページェントに驚いていました。それぞれの学年が歌う讃美歌もとても懐かしかったと話してくれました。
ページェントは演出の先生によって若干の内容の変更はあるものの、ずっと変わらずに行われている行事です。羊と星は1年生、マリアさんは2年生、博士は5年生、ガブリエルは6年生・・・というように演じる役と学年も変わることはありません。学年で担当する讃美歌も同じです。11年ぶりに見たページェントは色々なことを思い出させてくれたようです。旧校舎で過ごし卒業していった彼らにとって、今の校舎は初めてです。「校舎も先生も変わられていて、びっくりしました。」と言っていましたが、笑顔で話しかけてくるかわいい在校生の姿に小さかった頃の自分達を見たのではないでしょうか。
私立学校の良さの一つに長い年月変わらずに続いていく行事などがあり、いつでも知っている教職員が迎えてくれるという点があると思います。校舎や在校する子ども達が変わってもそこに流れる空気感 や雰囲気は変わることがないのです。
今年の冬はもう一つ嬉しくなるニュースがありました。それは聖学院小学校のラグビークラブに在籍していた子ども達の活躍です。すっかり成長しているので「子ども達」と言う表現に怒られてしまいそうですが・・・
花園を目指して「第102回全国ラグビー大会」で頑張る高校生の中に何人もその姿を見ることができました。埼玉県の試合では、学校や学年が違う彼らが決勝戦でライバルとして向き合う場面も・・・
東京代表の中にも聖小出身者の名前が並び、応援する私達も盛り上がった大会でした。今年は大学のラグビーチームの中に聖学院小学校の出身者の名前もあり、心が明るくなる冬休みになりました。
中学校、高校での部活や先生やコーチの指導、そして何よりも彼ら自身の血も滲むような努力と頑張りが結果に結びついているということは理解していますが、小学校時代のラグビーとの出会いも大きいのではないでしょうか。
彼らの活躍は私たちにラグビーに限らず小学校時代に蒔かれた小さな種がいつかどこかで芽を出し、花を咲かせてくれることがある、そんなことを感じさせてくれる出来事でした。
さあ、新しい年がスタートしました。今年も、一人ひとりの子ども達に良い出会いがあることを願います。
校長補佐 関 幸子
(学校だより けやき 第531号2023年1月26日発行)