高尾山のふもとにある「高尾の森わくわくビレッジ」に行き、プロジェクトアドベンチャーの教員研修プログラムを受講したことがあります。そこには、高さ15メートルのアスレチック施設もあり、慣れない環境の中で仲間と信頼関係を築きながら、ハードな2泊3日を過ごしました。 プロジェクトアドベンチャーとは、心の成長を目指すプログラムです。クラスやグループで課題解決を行いながら、様々な「気づき」を経て成長していきます。
研修会では、「チャレンジ バイ チョイス」という考え方を教わりました。これは、自らが課題に対して挑戦する度合いや方法を選択するという意味です。
プログラムには強制はありません。挑戦への選択の自由が常に保証されています。個人の挑戦レベルとその方法は、自分自身が決定します。また、自分が挑戦を選択しなかった場合でも、グループから外されるのではなく、グループの仲間にどのような方法で協力できるのかを考えることも選択のひとつになります。
研修会の夜は、全国から集まった幼稚園から大学までの各カテゴリーの教職員の先生方と、その日の振り返りや明日への課題を話し合い、とても濃密な時間を過ごしました。
学校は共同生活の場です。多くのことをみんなと同時にしなければなりません。時には、窮屈に感じることがあるのではないかと思います。しかし、学校生活の中で「チャレンジ バイ チョイス」という言葉はとても有効です。例えば、跳び箱の授業では、子どもに高さを選んで練習させます。苦手だったら、低いところから挑戦してみる。高いのに挑戦できない場合は、アドバイスをしたり、補助に入ったり、ビデオを撮ったりする役になり友だちのために行動します。
自分で選んだのだから、当然そのことに対しても責任が生まれます。もし、選択しないことを選んだとしても、自分が今できることを考えて貢献します。また、みんなの様子をみていると一緒にチャレンジをする勇気も湧いてきます。
今、子どもたちは競争の激しい社会の中に生きています。また、情報が溢れている中で、他の人と比べられて、自分の目標を見失ってしまうこともあるでしょう。自分の目標を見失わずに成長するためには、「チャレンジ バイ チョイス」の自己決定が大切です。聖学院小学校の子どもたちには、何かを選択するとき、神さまに喜んでいただける子としての歩みを選んでいってほしいと願っています。
6月15日(土)キリスト教学校教育同盟研修会では、聖学院小学校が会場校になり、300名以上の同盟校の教職員をお招きする予定になっています。授業では、「協同学習」をテーマにして子どもたちの学びの様子を見ていただきます。一人ひとりにとってよいチャレンジができるようにお祈りください。
生活部 濱住 聖史
(学校だより けやき 第546号2024年5月28日発行)