ペンテコステの祝福について

 今年の5月19日の日曜日には、世界中の教会がペンテコステ礼拝を喜び祝いました。聖学院小学校では、27日の月曜日にチャペルでペンテコステ礼拝を守りました。ペンテコステは「五十日目」という意味の古代ギリシャ語の言葉です。神の御子主イエス・キリスト、私たちが愛するイエス様は、すべての人の罪を赦し天国へ導くために十字架で死なれました。そしてイエス様が三日目の朝に死者の中から復活されてから五十日目にペンテコステが起こりました。ペンテコステの日に、集まり祈っていた弟子達の上に神様の霊、聖霊が降りました。そしてそれはイエス様が約束されていた通りに聖霊による洗礼となりました。弟子達は世界で最初のキリスト教会とされました。
 使徒言行録のニ章一節から四節には、ペンテコステについて不思議な出来事が書かれています。不思議な出来事は三つありました。一つ目は「風」です。ニ節に、
「突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。」
と、書いてあるからです。実は、聖書をよく読むと、聖霊はクリスマスにも登場し、母マリアさんの内にイエス様の命を創造されていました。聖霊の風は、「神様の命の息吹」を現しています。旧約聖書の創世記を読むと、この命の息吹を吹きかけられたアダムは父なる神様から最初の人間の命を与えられました。聖霊が降った十二弟子達は、神様の息吹を吹きかけられて、イエス様の新しい命に生きる神様の子供とされ元気にされたのでした。
 ペンテコステに起こった不思議な出来事の二つ目は「炎」です。三節には、「炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。」と書いてあります。「炎のような舌」は、一体何を意味していたのでしょうか。「炎」はイエス様の愛の火を示しています。それは、イエス様の十字架の死と復活に示された神様の愛の炎と言っても良いでしょう。「炎の舌」の「炎」は、絶対に私たちを見捨てないイエス様の愛の火であったでしょう。「舌」は神様の言葉を現しています。それは、イエス様の愛の火は、聖書のみ言葉を通して私たちの心に注ぎ、良い業となって光り輝くという意味です。 
 不思議な出来事の三つ目は、聖霊を受けた弟子達が、「ほかの国々の言葉で話した」ことでした。四節には「すると、一同は聖霊に満たされ、霊が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。」と書かれています。イエス様は聖霊を「真理の霊」と呼びました。聖霊を受けた弟子達は真理について色々な国々の言葉で人々に語っていた、と考えられます。それでは真理とは一体何のことでしょう?それは、十字架と復活のイエス様が、遂に、ペンテコステの恵みの日にイエス様の教会を誕生させ、イエス様の愛の教えを世界中に色々な国々の言語で伝えて多くの人々を助ける、ということです。このようにペンテコステの三つの不思議な出来事には、神様からの大きな祝福のメッセージが隠されていました。ハレルヤ!

チャプレン 中村 謙一
(学校だより けやき 第547号2024年6月25日発行)