今年度のページェントの思い出は忘れられないものとなりました。インフルエンザによって多くの児童が欠席し、聖学院小学校は学校閉鎖となってしまいました。4日間もページェントの練習ができなくなりました。病みあがりで頑張っている児童の姿も見られました。児童だけでなく教職員の中にも体調を崩している人が少なくありませんでした。学校閉鎖明けに私たちに残された練習日は7日だけでした。「神様、どうか助けてください!」と祈っていたのは私だけであったでしょうか。しかし、出演児童を中心に、学校全体が一つとなってページェントの本番の日に向かって練習を続けることができました。与えられている時間は限られていました。児童は、一生懸命にそれぞれの役割を身につけて練習を繰り返していました。担当の教師も、本番に向けて準備を積み重ねていきました。すべてのクラスが讃美の練習をしました。そしていよいよクリスマス礼拝とページェントの当日を迎えました。
クリスマス礼拝は、神の御子・主イエス・キリストのお生まれを感謝する時を覚えます。すべての人の罪を赦し、永遠の命へとお導きくださる救い主の誕生は、世界中の人々にとって大きな希望であり喜びです。聖学院小学校のページェントはどうだったでしょうか?主イエスは、学校全体の切実なる願いに応えてくださったでしょうか。聖小の児童は、大丈夫だったのでしょうか。結果を先にご報告させていただくと、当日の聖小のページェントは、素晴らしいページェントとされて、天におられるイエス様に献げられました。出演児童も各クラスの児童も心を一つにして練習以上の成果を発揮することができたのでした。聖小の児童は、本番に強いことが今回も示されました。しかも伸び伸びと演じ讃美を献げていました。私は、そのような児童の皆さんの頑張る姿を見て感銘を受けました。困難に直面していた児童もいたのです。乗り越え、克服し、成長の恵みをよくぞ受けた!と、心の中で声援を贈っている自分に何度も気がつきました。限られた時間の中で、児童は本当によく努力し、持てる力を発揮してくれていました。
今回は、舞台裏の様子も伺うことができました。いつもは観客席の左側からページェントを観ていました。赤と黒の幕の裏側では、出演児童の皆さんが自分の舞台の出番に備えていました。感心したのは、6年生が下級生を献身的に助けてくれていたことでありましょう。出番が近づくと先輩が後輩を励まし準備する姿を見かけて感銘を受けました。聖書には、イエス様が隠れたところにおられる父なる神に祈りなさいと教えている箇所があります。父なる神は、私たちの隠れたところで行われた良い業を見て祝してくださるお方であると、イエス様は告げています。
「隠れたところにおられるあなたの父に祈りなさい。そうすれば隠れたことを見ておられるあなたの父が報いてくださる。」(マタイによる福音書6章6節)
自分の出番だけでも大変な緊張感を持って待つのです。他の児童のことなど助ける余裕はない、と考えて行動をしてもおかしくはないのです。ところが、聖小の児童は違いました。積極的に舞台裏で助け合ってページェント全体を成功へと導いていたのでした。そのような献身的な奉仕の一つ一つが父なる神に喜ばれないはずがありません。父なる神ご自身が、児童の隠れたところで行われていた奉仕に報いてくださった、と私は確信しています。舞台裏で何が起こっているのかは、実際にそこで見ないとわかりません。舞台裏においても、聖小の児童は、他者に対して思いやる態度で振る舞えるのだな、と強く感じました。
こうして、2019年度の聖学院小学校のクリスマス礼拝とページェントは、神様の助けと恵みのおかげで無事お献げすることができました。主の御名を心から賛美致します。ハレルヤ!
聖学院幼小チャプレン 中村 謙一
(学校だより けやき 第499号2020年1月28日発行)