2022年のスタートに

 毎年、わが家の大晦日は紅白歌合戦、お正月は駅伝と決まっています。元旦のニューイヤー駅伝、2日と3日は箱根駅伝、お正月の三が日は駅伝づくしです。

 「駅伝」という言葉はもともと遠方まで行くために、16kmごとに設置してある「駅」から次の「駅」へ次々馬を乗り継いで行く行為からきているそうで、それを馬ではなく人のマラソンリレーに当てはめたのが今の駅伝競技ということになります。
 マラソンとちがって、チーム競技なので、個々にかかるプレッシャーは並大抵のものではありません。一人ひとりの選手の不調やトラブルも起きやすく、しかし、他の選手がそれを挽回するというチームプレーも駅伝の醍醐味です。

 選手がそれぞれのチームのたすきをつなぎながら一生懸命走っている様子を見ると、応援している自分と共に自分が一緒に走っているかのような気持ちになってきます。
 年の初めに駅伝にはまるのは、新年になにか頑張ろうと思っている気持ちと選手の頑張りが重なるからかもしれません。

 2022年がはじまりました。もう1か月がたちますが、それでもまだ一年のスタート地点にいることには変わりません。
 聖学院小学校のみなさんや、ご家族の方々の中には、今年の抱負、今年挑戦してみたいこと、今年頑張りたいことなどもうすでに決めましたという人もいるかもしれません。決めたという方は、今の時点でそれをやりはじめているでしょうか。まだこれからですという方が圧倒的に多いのではないでしょうか。
 思うのは簡単ですが、いつ始めるか、どう始めるかなどを考えると、思いはあってもなかなか一歩が踏み出せないというのが世の常なのだと思います。

 そのようなことを思いながらいたときに、励まされることばをある人から聞きました。それは、
              「やる気はやり始めないと出ない」
 という言葉です。あれこれ考えるより、まずはやり始めることの大切さをあらためて教えてもらったように思いました。

 今年も目標だけで終わってしまった…ということにならないように、まずはどんな形でも始めてみようという気持ちを大切にしていただきたいと思います。
 ひとたび始めたら、やらないとわからなかったこと、予想しなかったことが見えてきたり、いろいろな気持ちになったりしてくることでしょう。

 駅伝やマラソンのように2022年が一斉にスタートしました。こんな一年にしたいという思いは、迷うことなくまずやってみることでどんどんとその先へ進んでいけそうです。  2023年の今ごろ、2022年はこんな一年 だったと自信を持って振り返ることができるようになりますように。

教頭 田村 一秋
(学校だより けやき 第520号2022年1月29日発行)