11月を迎えます。天気予報では雪の便りも聞かれるようになり、日々季節が大きく動いていることが分かります。
穫の恵みに感謝
サンクスギビングデイという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
アメリカの開拓時代、イギリスからの長い船旅を経てようやくアメリカのマサチューセッツ州のプリマスに到着した開拓民たちは、寒さ厳しい異国の冬を経験します。そして寒さと飢えで多くの仲間を失います。しかし、翌年は近くに住むインディアン「ワンパノアグ族」にトウモロコシなどの作物の栽培知識を教えてもらい、そのかいもあってその年の秋には多くの収穫がありました。そこで命の恩人であるインディアン「ワンパノアグ族」を招待して共にごちそうをいただいた… というところから来ています。
今では、そのことを覚え、秋の収穫に感謝して七面鳥をはじめ豪華な食事をとる風習があります。また、季節もいいことから日本の大型連休のように長期休暇をとって里帰りをしたり、旅行に出かけたりもします。アメリカの人たちにとって「サンクスギビング/収穫感謝」は一年に一度やってくる楽しいひとときとなっています。
聖学院小学校のサンクスギビングデイ
アメリカのサンクスギビングデイは、お世話になったインディアンへの感謝と共に収穫の恵みをいただいた神さまへの感謝が重なります。そのために、神さまへ収穫を感謝するこの思いは世界中にひろがりました。
聖学院小学校でも収穫の恵みに感謝をする収穫感謝礼拝を毎年11月の後半に行っており、今年は22日を予定しています。この日は、チャペルの中央に秋の野菜や果物などが飾られます。礼拝には日本国際飢餓対策機構の方をお呼びし、お話しをしていただくことになっています。そこでは、今も厳しい食糧事情の中にある国々の紹介や、その中で必死に生きているこどもたちの様子など生々しく語られます。そこでこどもたちは食べられることが当たり前ではないことを知らされます。
そして、お昼にはお楽しみのカレーパーティーと続きます。PTA実行委員の方々やボランティアのお父さまお母さま方がお手伝いいただき、みんなで秋の収穫の恵みを味わいます。一年に一度のこのイベントはいろいろな意味でよい経験にもなっています。
すべての恵みの感謝
季節をつくり、自然をつくってくださった神さまは、この11月に色とりどりの野菜や木の実、果物など秋の実りをくださいました。これは生きるための糧というだけでなく、わたしたちに豊かな楽しみを与えてくださいます。
秋が深まるこの時に、ぜひ、ご家庭でも収穫の恵みをおいしく味わい、多くの人の手を経て食卓に並ぶことや、育ててくださった神さまへ、実りの恵みと収穫への感謝の気持ちを持つ機会にしていただきたいと思います。
教頭 田村 一秋
(学校だより けやき 第528号2022年10月28日発行)