たまもの探し

 聖学院小学校では、毎年春休みと夏休みに教員全員で研修を行っています。今年度は、初の試みとして、幼稚園の先生たちも一緒に研修の時を持ちました。講師は、小学校が協同学習に取り組み始めてからずっとお世話になっている関田一彦先生です。
 関田先生は、「神を仰ぎ 人に仕う」という建学の精神を実践するために設定された「よく学ぶ よく遊ぶ よく祈る」というスクールモットーを踏まえつつ、私たち一人ひとりが今年度の目標を立てるための支援をしてくださいました。

 自分のためだけでなく、他の人の幸せのためにも仲間と力を合わせて学ぶことができる子ども。自分も含めて皆が楽しく遊ぶために心と体を用いることができる子ども。自分の幸せだけでなく、他者の幸せをも祈れる子ども。私たちが願う「よく学ぶ よく遊ぶ よく祈る」子どもたちの姿の実現には、自他の成長を願い促す学習方法である協同学習は一つの有力な選択肢であることを、改めて実感することができました。

 「協同学習」という言葉は本で読んだり耳にしたりしたことはあっても、よくわからないと話していた新しく聖学院小学校にいらした先生たちや幼稚園の先生たちも、関田先生のリードで協同学習を体験。全員が前を向いて講師の先生からのお話を聞くだけの研修会では味わうことのできない充実した時間を過ごすことができました。

 自分が一生懸命に考えたことを、真剣にうなずきながら聴いてもらえたときの喜び。「◯◯ さんの目標は~だそうです」とペアの人が自分から出た言葉を受け止めた後にグループの人に伝えてくれているのを聴く、少し照れくさいけれど誇らしい気持ち。ペアの人の話を大切に聴くことで生まれる温かな空間。グループの仲間の考えを聴くことで心が動き、自分の考えが強化されたり変わったりしたときの感動。ごくごく自然にグループの仲間の「たまもの探し」をしていました。「互恵的な関係」とはこれなのだと参加者の皆が実感できました。まさに「百聞は一見にしかず」でした。

 それぞれに、自分や仲間の「たまもの」とは何か、その各々の「たまもの」を用いて聖学院小学校の子どもたちのために何ができるのかを真剣に考えることができました。まずは教員一人ひとりが、今回設定した自分の目標を達成しようとすることで、聖学院小学校が「みんなでつくる学校」へ近づいてくれると確信しています。

 まもなく、ゴールデンウィークです。楽しいお出かけの予定が目白押しのご家庭もおありかと思います。ぜひ、ゆっくりとファミリーお一人おひとりの「たまもの探し」をするひと時も作っていただけたらと思います。

わたしたちは、与えられた恵みによって、それぞれ異なった賜物を持っています
ローマの信徒への手紙12章6節

教頭 相浦 智
(学校だより けやき 第556号2025年4月25日発行)