子どもたちからの感謝の気持ち

 世界には、いったい何種類の花があるのでしょうか。分類の仕方にもよりますが、現在知られているだけでも約25万種類もの花が存在するといわれています。神様が創られたこの世界に、これほど多くの命が生かされていることに、改めて驚かされます。

 さて、6月の第2日曜日は、教会暦において「花の日」、そして「子どもの日」と定められています。「花の日」は、アメリカのメソジスト教会の歴史に由来しています。19世紀ごろ、アメリ力の教会ではこの日を「子どもの日」とし、子どもたちの健やかな成長を祈る礼拝が行われていました。ちょうどこの時期は、一年で最も花が咲き誇る季節でもあります。人々は花を教会に持ち寄って礼拝堂に飾り、礼拝後には病気の方を見舞ったり、社会のために尽くしている方々を訪ねて花を届けたりしていました。こうした活動は、子どもたちに感謝の心を育む大切な機会となっていました。

 聖学院小学校でも、この伝統にならい、毎年「花の日礼拝」をおささげしています。今年は6 月17日(火曜日)に行われ、チャベルや校長室の前には、色とりどりの美しい花々が飾られました。花の香りに包まれながら、神様の御手によって創られた素晴らしいみわざに思いをはせ、「このはなのように」を賛美し、聖歌隊による賛美奉唱も行われるなど、心温まる礼拝となりました。

 休み時間には、児童宗教委員を中心に、聖学院幼稚園や事務室、用務の方々へ、お花と「ありがとうございます」の気持ちを込めた手作りのカードを届けました。放課後には、地域の病院や教会、近隣の方々にもお花をお届けしました。子どもたちは少し緊張しながらも、感謝の思いをしっかりと言葉にして伝えることができました。また、宗教委員長と副委員長は北区役所を訪問し、北区長と直接お会いするという貴重な経験もさせていただきました。

 こうしたーっひとつの行いは、小さな愛の業 (わざ)かもしれません。しかし、花の日を通して、子どもたちは神様や身近な人々への感謝の気持ちを、確かに深めていったように思います。

 最後に、花の日礼拝で共に賛美した改訂版こどもさんびか115番「このはなのように」の歌詞をご紹介します。

この花のようにお日さまをあびて
すくすく育っこどもにしてください

この花のように みんなの心に
やさしくかおる こどもにしてください

この花のように 神さまの愛を
そっとあらわす こどもにしてください

 小さな種から始まった命も、やがて花を咲かせます。花にはさまざまな色や形、香りや名前があります。人も同じように、それぞれが違った魅力や役割をもっています。たくさんの人に支えられ、大切にされていることを感じながら、子どもたちがのびのびと成長していくことを、心から願っています。

宗教部 小野寺 和人
(学校だより けやき 第558号2025年6月27日発行)