光の子

 昨年度末、佐藤校長先生から「2022年度は、子どもたちが主体となり、自分から意識して守ることができる生活目標を」というミッションが与えられました。そこで、生活部の教師たちで、より一層みんなが安心して過ごせ、みんなが誇れる聖学院小学校にするためにどうしたら良いかを話し合いました。その結果、コロナの影響もあってか、きちんとできているとは言い難い挨拶や身だしなみ、話を聴くといったマナーが守れるようになればとの思いから、「光の子プロジェクト」を立ち上げることにしました。「光の子として歩みなさい」(エフェソの信徒への手紙5章8節)という御言葉を念頭に置いたプロジェクトです。「光の子」とは、神様と人とを愛することができるすべての人を指しています。
 マナーというのは、目に見えない「優しさ」を形にしたものです。隣人を愛することができて初めて、相手に対して敬意を払い、「優しさ」を形にしていくことができるのだと考えました。聖学院小学校の子どもたちが神と人とを愛する「光の子」として歩むために、礼儀やマナーを身につけ、以下の5点が当たり前のようにできるようになることを目指していきたいと思います。

  1. 挨拶をする
  2. 話を聴く
  3. 身だしなみを整える
  4. 時間を守る
  5. 安全に過ごす(廊下を歩く 遊び方を考える)

 ただ、叱ったり注意したりするときにだけ、都合よく「マナー」という言葉を持ち出しても、子どもたちの心には響きません。また、子どもたちは、命令されたことよりも自分で決めたことの方が積極的に取り組めます。そのことを鑑み、教師主導ではなく、11個ある児童委員会の主導で良い例をたくさん見つけてもらいながら現状把握し、具体的方策を吟味できるよう導いていくことにしました。聖学院小学校の未来を作るのは、「誰か」ではなく、「自分」であることを意識できるよう、支えたいと願っています。

 また、子どもたちは、日常的な大人の所作を常に見ています。所作というのは、心を伴った体の動きのことです。子どもたちにマナーを身につけさせたいのであれば、まずは教師自らが所作を正していこうと、今、私たち自身も取り組んでいます。
 加えて、このプロジェクトには、ご家庭からの協力も必要不可欠と考えております。どうぞ、折に触れて「光の子プロジェクト」のことを口に出していただき、「こんな時はどうするのが『光の子』かな?」と投げかけていただくことで、子どもたちの持つ「優しさ」が形となるお手伝いをしていただけましたら幸いです。

 先行き不透明で、暗いニュースばかり多い時代の只中にあって、聖学院小学校の子どもたちと教職員が、周囲を明るく照らす「光の子として」輝くことができるよう、祈りつつ歩んでいきたいと思います。

生活部 相浦 智
(学校だより けやき 第525号2022年6月29日発行)