地球のサイクルと心身のリズム

 夏休みが終わって1ヶ月、爽やかな秋風を 感じるようになりました。ようやく夏休みから学校のリズムになれてきた頃でしょうか。

 実は、人間には1日のリズムを刻む「体内時計」があります。わたしたちの脳は、陽の光をキャッチすると、体内時計をリセットして心とからだの活動を始めます。そして、暗くなるにつれ自然と眠くなり休息をとります。体内時計がきちんと働くために大切なポイントは、心身で「朝の陽の光」と「夜の暗さ」をしっかりと感じることです。

 普段、ビルや街灯、テレビやスマホの光がわたしたちを照らしています。電気はわたしたちの生活を支えています。都会にいると夜が本当は真っ暗だということをつい忘れてしまうくらいです。ですが、ビルに囲まれた都会であっても地平線が見える大地であっても、毎日同じように太陽と月が昇ります。人に備わっている体内時計は、地球が1周する約24時間の昼夜サイクルに適応するための力です。24時間というサイクルは人が先に作ったのではなく、地球に合わせて後から定義づけられたのだと思うと、人間も地球という自然の中で生きている生き物だと、実感します。

 電気があることにより、日没後も活動ができる現代です。寝不足や疲れが溜まっているなと思う日は、太陽が沈むと共に室内の明かりを落として、地球のサイクルに合わせて過ごしてみることをおすすめします。そして都会でも空を見上げて、建物の 間から太陽や月の見える場所を探していると、都会でも草木があることに気付き、ちいさな虫の音が聞こえてくるかもしれません。

 児童のみなさんも、学校のほかにも塾や習いごとが忙しく、タブレット等の画面を見ていると、あっという間に時間が過ぎ、つい寝不足になってしまう日もあるかと思います。また寝不足になると朝起きるのがつらくなってしまい、朝食の欠食にも繋がります。朝食は、心とからだの目覚ましになるので、午前中の集中力や体力を左右します。実は保健室でも「お腹が空きすぎて…」と来室するお子さんが結構います。

 みなさんも調子がよくない日やつらい日もあるかと思います。しかし、どんな日でもかならず陽は沈み、そして昇ります。地球のサイクルに合わせて活動と休息のリズムを整えてみてください。すると少し、心とからだが軽くなるかもしれません。みなさんの健康をいつも祈っています。

養護教諭  飯泉 奈那
(学校だより けやき 第527号2022年9月28日発行)