「ルーティン」から「習慣」へ ~17日と31日のすごしかた~

 夏休みが始まります。夏の計画はもう立てられているでしょうか。塾や習い事、サッカーやバレエなどの特別練習、さまざまな宿泊イベントに参加したり、普段なかなか行けない病院での検診や治療という人もいるでしょう。「休み」とはいっても結構いそがしいのが今の夏休みです。その中にあって計画を立てて、夏休みの課題や自由作品づくりを進めていくというのが実際の夏休みなのかもしれません。
 それだけでも十分に楽しく充実していますが、せっかくの夏休みですから、もうちょっとなにか加えてみたいところです。

 今年の聖学院小学校の夏休みは7月に17日間、そして8月には31日間と結構まとまった期間があります。そこで提案なのですが、この期間に「なにか」新しく自分で決めたことを始めてみるというのはいかがでしょうか。ご家族の方もぜひこの夏休みの期間に合わせて挑戦してみてください。

なにを始めるか考える
 まず、この夏にやってみたいことを思い浮かべます。「なにか」の方向は、「健康のため」「勉強のため」「スキル習得のため」「苦手克服」「資格取得」など自分が向上するイメージです。漠然としていてもいいので、まずこうなりたいという方向を考えます。

具体的な行動を決める → 始めてみる
 次に、そのための具体的な行動を決めます。「読書」が目標なら「朝の10時から30分間を読書タイムにする」とか、「運動」なら「ラジオ体操を毎朝6時25分の放送に合わせてやる」、「毎日計算ドリルを10問」「ボールリフティング10回以上」「10分間そうじ」・・・。ポイントはちょっと少なめに設定することです。無理して続かなくなるより、始めること、続けることに意味があるからです。もう一つのポイントは、漠然としてではなく具体的な数字を決めることです。このことが量の調節や達成の確認、自信につながる具体的事実となります。
 まずは小さく始めて、自分にとって適量のルーティンに育てていくイメージです。

やめずに続ける → 習慣化へ
 次のステップは、決めた具体的な行動を続けていき、そしてそれを「習慣」にしていくことです。習慣化するひとつの目安は3週間つまり21日間(早い人で15日)と言われています。そこまで続けることができたら、その先は、それが習慣となり、毎朝歯を磨いたり洗顔するように、やらないと落ち着かない、当たり前のことになるそうです。
 また、習慣化するまでの毎日は、それ自体がつらくならないように、そこになにか楽しさ、達成感を見出すことが継続の鍵とも言われています。進捗状況を数値化したり、日記をつけたり、誰かと一緒にやったり、それ自体を自由課題のテーマにしてみたりするのもいいかもしれません。

 ・・・という内容は、先日読んだ本に書いてあったことです。書いてあることは確かに理にかなった自己実現のステップです。いつ始めてもいいことではありますが、夏休みというタイミングは、自分を納得させて始めるいいきっかけになりそうです。  
 自分や家族の成長のために、今年はなにか「習慣化」できる夏休みを目指すのもいいかもしれません。どうぞ楽しく、共に成長できる充実した夏休みをご家族でお過ごしください。


教頭 田村 一秋
(学校だより けやき 第537号2023年7月13日発行)